コラム

「芝」と「ダート」がタイムに与える影響【2021年の中央競馬データで検証】

2022年01月26日 18:00:00

本記事では、「芝」と「ダート」がタイムに与える影響についてみていきます。


JRAの競馬コースは芝とダートの2種類があります。

これらがレースにどのような影響を与えているのかを検証します。


一般的には、脚がとられにくい芝の方がタイムが速くなる傾向にあります。

実際にどれくらいの差があるのかを確認します。


2021年の中央競馬のレースで検証する


検証に使用するデータは2021年のレースデータです。

データの整合性のために、中央競馬レースのみを使用します。

対象とするデータは全3,456レースです。


さらにここから距離ごとにデータをみていきます。

ここでもデータ数が少なすぎると信憑性が落ちてしまうので、2021年に行われたレースで最も多かったコース距離の上位5つに絞ります。

絞られた距離は、多い順に1,800、1,200、1,400、1,600、 2,000です。

絞り込むと2,666レースになりました。


これらの距離に対して、芝とダートでタイムにどれくらいの差があるのかをみてみます。


期待通り、芝の方が早い傾向になった


それでは結果を見ていきます。

各コース距離でダートと芝の平均タイムをバイオリンプロットで比較してみます。

集計に入れるデータは、3着以内に入った馬のタイムに絞りました。


当たり前ですが、距離増加に伴いタイムも伸びる綺麗な右肩上がりで、芝の方がタイムが早くなる傾向にあることがわかります。

数値をまとめると次のようになります。


コース距離 コースタイプ 平均タイム 中央値 標準偏差 データ数
1200 ダート
72.15 72.20 1.03 1102
1200 69.30 69.30 1.09 938
1400 ダート 85.06 85.00 1.23 813
1400 81.86 81.60 1.28 462
1600 ダート 97.98 98.00 1.41 327
1600 94.84 94.80 1.51 848
1800 ダート 114.17 114.10 1.89 1524
1800 108.62 108.50 1.97 884
2000 ダート 127.10 127.35 1.66 84
2000 121.73 121.60 1.95 1024


全ての距離において、芝の方がタイムが早いことがわかります。

予想通りの結果です。

そして距離が長くなるほど、タイムの差も広がっていきます。


この差分をまとめると次のようになります。


コース距離 ダート
1200 72.15 69.30 2.85
1400 85.06 81.86 3.20
1600 97.98 94.84 3.14
1800 114.17 108.62 5.55
2000 127.10 121.73 5.37



コース距離と差の関係を図に表すと相関があることが確認できます次のようになります。


当然ながら、距離が長くなるにつれて差は広がっていく傾向にあります。

短距離の1200でも3秒弱の差があるので、無視できない結果です。


まとめ


ここでは、「芝」と「ダート」がタイムに与える影響についてみてきました。


予想通り、全ての距離において芝の方がタイムは速くなる傾向となりました。

距離が長くなるほど差は広がり、短距離の1200でも3秒弱の差が確認できました。


競馬予想を行う際には、「芝」か「ダート」かを考慮すべきと考えます。

これまでダートでの出走しかない場合は、芝の場合はタイムが速くなる傾向にあります。

こういった要素を取り込みつつ、予想を行うと精度が上がるのではないでしょうか。



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